櫛材質と特徴

 日本は、国土が狭いわりに植物の種類が豊富です。

温暖多湿な気候もあり、樹木の種類は、1000種類を遥かに超えます。

その中でも木櫛の材料となる木は、主に下記の五種類が挙げられます。

ツゲ(黄楊)

イス・ユス)(木乍)

カバ・マカバ(樺)

サクラ(桜

☆ツバキ(椿)

              つげ櫛(黄楊)


つげ(黄楊)

  • つげ・ツゲ(Japanese box 英名)
  • 樹高2~3m程のツゲ科ツゲ属の常緑定木
  • 葉は、1~3cm程の小さく細身の卵形で先端が少しへこむ
  • 同じ木に雄花と雌花があり、雌花の周りを数個の雄花が取り囲んでいる
  • 花の時期は、3月~4月
  • 本州~九州に生育
  • (つげ材)
  • 黄みを帯びて美しく、生育が遅いため緻密で硬く狂いが少ない
  • 水を通す導管の大きさが小さいため肌触りが滑らか
  • 櫛の材の他、印材、ブローチ、彫刻、そろばん玉、将棋の駒、数珠などに用いられている
  • 特徴
  • 粘土があり耐久性にも優れ加工もしやすい
  • 櫛材に最っとも優れている
  • 見た目は黄色身を帯びた黄金色

イス・ユス(木乍)

  • イス・ユス(isu tree)
  • 樹高25mにも達するマンサク科イスノキ
  • 緻密で日本産材の中で最も重い
  • 耐久性、保存性が非常に高い
  • 重硬かつ均質で、美しい
  • ☆(イス・ユス材)
  • 建築、家具、器具、工芸、細工物、寄木に用いられる
  • 古事記(現存する日本最古の歴史書)には、伊須と記されたイス・ユス(木乍)の櫛は現在でも皇室で愛され続けています。
  • ☆特徴
  • とても硬いく粘度がないため、加工はしにくい
  • 見た目や色は、最も優れ美しい
  • 巨木にはなるが、櫛で使う材は赤身部分のほんの一部しか使う事はできず、希少です。

 

カバ・マカバ(樺)

  • カバ・マカバ (樺) birch
  • カバノキ科カバ属に含まれる
  • 落葉広葉樹の総称
  • 日本産の主要樹種 マカバ、ウダイカンバ、ダケカンバ、ミズメの四種が挙げられる
  • ☆(カバ材
  •  

サクラ(桜)

  • サクラ 桜 (flowering cherry)
  • バラ科の材は、良材とされヤマザクラ、オオヤマザクラがよく使われてきた
  • 重硬な部類に属し、その重さのわりには、素直で狂いがない
  • 均質かつ緻密で寸法安定性が高く、切削などの加工性がよい
  • 材色は、赤~桃色を帯び暖かみがあり、磨くと艶を発す
  • ☆(桜材)
  • 椀などの器具、玩具、楽器の部材、彫刻、工芸品、額縁などに用いられる

モチ

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ツバキ(椿)

  •  

シャム(アカネ科クチナシ属)

  • シャム
  • アカネ科クチナシ属の落葉高木(複数の種)
  • タイ、ミャンマー、カンボジアに分布する
  • ツゲ材と外観が似ているところから安価な代替品として市場に出回っている
  • 狂いがでやすいためツゲと比べ質は劣り、強度が低い